森の中を抜けると昔から栄えたというカルマルの町へ入った。その向かい側にエーランド島がある。カルマルからエーランド島へ6070メートルの橋が架かっている。ここをわたるのも最初からの計画のうちだ。ボリィホルムのホテルを予約している。
カルマルの町からエーランド島に橋が架かっている。
橋をわたってしばらくすると、おなかもすいてきた。 昨日のお昼食べきれなかったピザをお弁当がわりにいただく。ここら辺りは、ドライブインのようなものはあまりない。そのかわり案内地図などが備えられ、自由に使えるトイレのあるパーキングが利用できる。柔らかな日差しのもとで一服だ。携帯のガスコンロを持ってくればよかった。
まもなくボリィホルムの町に近づく頃、なにやら奇妙な建造物が見えている。それが何か全く見当がつかない。気味が悪いかので近づかないことにした。”昔の刑務所跡かな”などと想像してみたりする。
ホテルで一服の後、近くに古い城跡があるというので、散歩のつもりで歩いて出かけた。林の中の自然歩道を歩き急な坂を上り詰めると、なんと先程刑務所跡だと決めつけた高い壁のところに出た。屋根の部分がなくなった城壁だ。ボリィホルム城趾!。
ここが城趾だと分かると俄然興味が湧いてくる。入り口らしいところを探して奥へ進むと案内板があった。無料で入れるらしい。 さらに先へ進むと、いよいよ城壁の内部に入る。すると私たちに驚いたのか、威嚇しているのか、おびただしいカラスがカモメのような鳴き声を一斉に上げて飛び回わっている。
数知れないカラスの鳴き声と、急にやってきた雷雨となんとも気色の悪い古城だった。発掘したという動物の骨か人の歯か無造作に展示してあった。なにか呪われているみたい。かつてのボリィホルム城の模型が展示されていた。
雨もやみ、ようやく私たちの気持ちが落ち着いた時、二匹の大型犬をともなって散歩にやってきた初老の婦人に出会った。優しい笑顔だった。私たちは、二匹のワンちゃんに和ませてもらったのだ。
ボリイホルムのホテルの窓から見える美しい夕日が心に強く残った。
markusb氏のLKTR250 - Slottsruinen Borgholmをシェアーです。