ニュージーランド旅日記

ミルフォード・トラック 日帰りツアー

 テアナウ2日目、1月17日(月) ケイコズ・B&B で朝食をいただく。クッキングはもっぱらケヴィン。ケイコさんはゲストとダベリング。愛犬ティスもそばにはべっている。 9時すこし前、ミルフォード・トラックへのハイキングに参加するため リアルジャーニーズ観光社の事務所へ徒歩で向かう。ニュージーランドは今夏休みと言うことで、小学校の運動場はひっそりとしていた。観光社事務所の受付嬢にケイコさんから受け取った書類を渡してしばらく待機。ミルフォード・トラックのハイキングも明日行くダウトフルサウンドのクルーズも、ケイコさんに申し込んでおいたら予約の手続きはすべて整えていてくれた。その支払いも宿泊費と一緒にすればいい。

 ミルフォード・トラックは世界のハイキングコースの中でも指折りのコースとして知られている。全行程を歩くと4日かかるが、私たちはその一部のコースを1日で体験しようと言うわけだ。

 待合室にかっこいいガイドのリチャードがやって来た。お客は、私たちの他に3人家族のオーストラリア人だけだ。総勢5名。ガイドのお兄さんが、今日の行程を大きな地図の前で説明してくれるのだがよくわからない。説明が一通りすんだところで、質問は無いかと聞くので、NOBURIN 「英語は得意ではないので、ユー の後ろからついて行くから。」というと、それでオーケーと答えてくれた。いよいよ出発の時、彼を見送りに来ていた奥さんは、なんと日本人だった。NOBURIN一行、一気にリチャードに親近感を覚えたというわけ。

バスでテアナウダウンへ
リチャードの運転

テアナウダウンからミルフォード・
トラックの出発地点へ


クルージング

 ティアナウからリチャードの運転で大型バスに揺られて40分ほど走る。10時30分、ティアナウ・ダウンと言うところに着いてから遊覧船に乗り換えた。そこからティアナウ湖を1時間ほどクルーズしてミルフォード・トラックの出発点へと向う。船を降りグレイドハウス(山小屋)を目指す。毎日お天気に恵まれて、行く先々うきうきしてきた。(下の地図参照)

ミルフォードのハイキング

 11時30分、いよいよミルフォード・トラックのハイキング。本来のコースは3泊4日の縦走コースだけど、ガイド付きの日帰りコースだから、あなた任せののんびりハイクだ。一昨日のマウント・クックのフッカーヴァレー・トレッキングと比べれば、なんというゆとり。

 今日のメンバーは、ガイドのリチャード、NOBURIN一行とオーストラリアの三人家族。ミルフォードは、オーストラリアからクイーンズタウンへの直行便があるから、近いのだそうだ。それに物価の関係で、彼らにとって安価にニュージーランド観光が楽しめるとか。

     

 船を下りてしばらく行くと、ミルフォードトラックのコースからそれて登りの山道を歩く。やがて見晴らしのいい広場に出て一休み。

     

 しばらく休んだ後は、今来たのとは違う下り道。シダ、コケ、古代から生息していたかと思われるブナの大木、倒木に苔むしているもの、まさに密林のど真ん中だ。「おいて行かれたら、どうしようもないね。」などと緑子さんと冗談を言う。

 ガイドのリチャードは、私たちの歩みに合わせてゆっくり下る。そして、毒のある木、こけの名前、森の成り立ち、飛び交っている小鳥の名前などていねいに説明してくれる。時々日本語も入るから面白い。日本では耳にしたことが無いのだが、先ほどから盛んにシロホンを奏でているような美しい鳥の鳴き声が聞こえる。リチャードに聞いたら、”Tui”(トゥイ)というのだそうだ。かん高い声で音楽を演奏しているようだ。後で、インターネットで探したら「ミルフォードトラックで見ることのできる野鳥」というホームページを見つけた。それに Tui も出ている。 もう既に1時。木の間がすこし透けてきて、お昼をいただくグレイドハウスが見えてきた。かつて家族で上高地の徳沢園に宿泊したことがある。そんな感じの広々した山小屋だ。サンドイッチにシチュー、お好みの飲み物、デザートなどゆっくりくつろいでいただいた。

 1時50分、グレイドハウスを出発して、ミルフォードトラックを歩く。間もなく綺麗な吊り橋があった。フッカーバレーの吊り橋と違って、なんの恐怖もない。美しい川、クリントンリヴァー。小鳥たちが人なつこく近寄ってくる。ニュージーランドロビン、ファンテール、メジロ、それにTuiの鳴き声などずーと聞こえている。

     

New Zealand Tui in a Pohutukawa Tree Pukekina's channel からの共有です。

     

 左の小鳥は、ファンテール、右はニュージーランドロビン。私たちのすぐそばまで寄ってくる。でも動きが速いのでうまくシャッターを切れない。何度も挑戦して何とかこの二枚はそれらしく撮れた。

     
 一行は赤いコケの敷き詰められた湿原をたずね、ミルフォードトラックを引き返した。ほどよい汗をかき、自然とふれあい、リチャードやオーストラリアの家族とのふれあいに満足してバスに乗り込んだのだ。(5時30分)
     

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ケイコズ・デナー
この夜は前もって、啓子さんご自慢のケイコズデナーをお願いしておいた。ミルフォード湾で採れたロブスター。それに、とっておきの赤ワイン。



同じく別棟のコテージに投宿している長野県の夫妻。ご主人はグライダーで空の散歩に来たのだと言う。いつまでも明るいテアナウ夏の夕べを賑やかに過ごしたのだった。


ケヴィンとティス

ティスは三本足の老犬。若いときには、ケイコ&ケヴィンの趣味の狩りで随分活躍したそうだ。交通事故で足を失い加齢も進み今はオフィスで余生を過ごしている。我が家の愛猫ミャンコと愛犬メリーを思い出した。ケヴィンはティスの排便の介護をこまめにしてやっていた。