氷河をのっけて立つ奥の白い頂がニュージランドの秀峰 アオラキ/マウント・クック。標高3754m、アオラキとはマオリ語で”雲を突き抜ける山”という意味だそうだ。年間の降水日数は平均149日と不安定な気象。私たちはこの勇姿を振り仰ぐことができたのは幸運この上もなかった。
NOBURIN一行は、レイク・テカポに立ち寄ったことに満足して フレダ・ドゥ・ハウスB&B を辞した。予定時間きっかり8時出発。街のスーパーでお昼のパンやハム、リンゴ、ヨーグルトなどを買ってさらにガソリンを給油。燃料タンクにはまだ半分ほど残っているが早めに入れておくに越したことはない。この車で初めての給油だ。空港でレンタルするとき、担当のお兄さんが最初に ”燃料はペトロール(ガソリン)、給油のノズルは緑色” と教えてくれた。NOBURINもまずはこのことを確認しなければならないと思い、英語でたずねるフレーズも前もってメモしておいたくらいだった。 お天気は快晴、ドライブは順調。ただニュージーランドの夏の日差しは紫外線がきつく、サングラスを使った方が楽だ。右の地図でレイク・テカポからプカキ湖まで50キロメートル。9時、プカキ湖岸に到着した。遠くにマウントクックが見える。一服だ。
プカキ湖
出発してしばらく行くと国道8号線からマウントクックの方へ80号線に入る。
今回の旅の楽しみの一つは、マウントクック国立公園の中にあるハイキングコースの一つ フッカー・ヴァレー・トラック を歩くことだ。駐車場からオートキャンプ場を横目に見ながらフッカーヴァレーへと進むこと30分。第1の吊り橋を渡る。快調。但し、奥に見えるマウント・クックのてっぺんあたりには絶えず怪しい雲が流れている(このページで上の山の写真)。
第一の吊り橋 氷河を目の前に気持がいい
第一の吊り橋を渡る前後では、お天気に恵まれたことを喜び、高山植物など愛で、お昼を摂るにいい場所など見回しながら歩を進めています。でも、向こうのマウント・クックのてっぺんは相変わらず黒い雲が渦巻いています。カメラのシャッターを構えようとすると雲が山を隠す。
NOBURINが第2の吊り橋を渡り始めると、川上から風が吹いてきて橋が揺れ始めた。続いて緑子さんが渡り始める。突風のような強い風。台風のよう。NOBURINは吊り橋のワイヤーを両手でつかんで、川上に体を向け風を正面に受け、かにの横ばいで進む。何とか安定を保ちながら向こう岸にたどり着いた。緑子さんは、吊り橋を渡り始めたところ、どうしていいか分からない。不安定な体勢だ。さらに片手にストックを持っている。眼下のフッカー川は音を立てて滝のような流れだ。両脇は転落防止の金網が張っているので落ちることはないが、彼女の顔色は蒼白だった。
やっと緑子さんも吊り橋を渡り終えたところで、気持ちを抑えようと、どこでもいいからお昼にすることにした。12時30分、狭い岩陰、多くのハイカーがすぐ脇を通り過ぎてゆくのだが、NOBURIN一行は誰が通ろうとお構いなしだ。いや緑子さん、人が歩いているのも気がついていなかったのかもしれない。
気を取り直して再出発。木道を歩くが、今でも、強い風が吹いている。木道両サイドの草たちが激しくなびいていた。NOBURIN、風に押されて木道を踏み外すことが何度かあった。
とにかく台風の中を歩くようにして1時40分ついにフッカー湖に到着。湖の向こうに氷河の先端が見える。そこから崩れ落ちた巨大な氷の塊が浮いて流れてくる。風は相変わらずだ。ゆっくり写真も撮れない。急いで近くの人に頼んでシャッターを押してもらった。緑子さんの髪の毛は、今はやりの形みたいに逆立っている。 NOBURIN、もう少し待てばマウント・クックの全容が現れるのではないかと、風と闘っていた。緑子さんは、早々に岩陰に隠れて時折顔だけチラッチラと出している。NOBURINもあきらめて、岩陰に飛び込んだ。
湖の最奥に氷河の先端が見える。 流れてきた氷の塊。 下山してコーヒータイム
マウントクックフッカーバレートラック14'12月22日 ニュージーランド・ブリーズ よりシェアーさせてもらいます
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![]() お花畑木道に入る前だっただろうか、5.6名の男女の集団が、何か興奮したみたいに藪の中を指さしている。「ラストチャンス!」と言っているようにも聞こえる。そこを覗くと可憐な白い花が一輪咲いていた。それがこのページの一番上の写真、マウントクックリリーだった。この季節にはもうほとんど見られない高山植物だったのだろう。私たちも、どれどれ、という感じで写真を撮ったのだが、後で考えると貴重な写真だったのかもしれない。 道中に高山植物のお花畑を何度か横切ってきた。名前は分からないが、フッカーヴァレー往復の時にカメラに納めた。ご覧下さい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |