なんとかプリマスに到着しました。クセターの町で大分迷ったので、今度は町に入る前に道路際に停車して、気持ちを整え、ホテルへの道を確認した。ホテル着午後4時。いい時間だ。チェックインでは、かわいいフロント嬢が受け付けてくれた。そして、私たちのスーツケースをわざわざ車のトランクから二階まで運んでくれたのである(エレベーターがないからでもあるが)。港町の小さなホテルだが、すっかり気に入った。
ここはバースを離れ、エクセター、ダンスフォールド、プリマスはもうイギリスの南海岸地方に当たる。
まだ時間もあるから、早速港に出ることにした。
何しろプリマスへ来た目的は、メイフラワー号が船出したというポイントを確認したかったのだ。1620年あのプリグリム・ファーザーズがアメリカの新大陸にキリスト教をもたらしたという歴史的な港だから。ホテルは海岸のホー公園の脇にある。玄関を出るとすぐ海の匂いとカモメの鳴き声が聞こえてくる。海岸線は丘(ホーの丘)になっていてその向こうが海だ。丘の上に立つと大海原が開けてきた。ああ、この入り江をメイフラワー号が出港したのだ。船客102名のうち、およそ3分の1がイギリス国教会の迫害を受けた清教徒だったという。海岸から見えるこの海や岬の風景は今も変わらないのだろう。このときから新大陸アメリカ歴史の胎動があったのかもしれない。日本でもこの時代江戸幕府が開かれた。何か見えないところで世界の歴史は一定の方向につながり、動いているような気がする。
ホーの丘からメイフラワー号が旅立って行ったであろう入り江をしばらく見つめていました。
ホーの丘から東へ歩くと町一番の観光スポット、バービカンへ行く。色とりどりのヨットが浮かぶ美しいハーバーだ。そしてそこにメイフラワー号が錨を上げて旅だったというスポットがあるという。さてどこだろう。もう5時も過ぎてインフォメーションも閉まっている。ガイドブックとホテルでもらったマップを手に岸壁を歩き回るのだがそれらしいものがいっこうに見あたらない。緑子さんは、疲れてベンチに座り込んでいる。やっと見つけたところは、彼女が座っているベンチから50メートルもないところだった。何度も通り過ぎたところだ。その出航記念碑はひっそりとあった。そう、プリグリム・ファーザーズはイギリス国教に尻を向けて出て行った人たちだ。派手な出航記念碑はいらないのかもしれない。プリマスを訪れた目的を達成することができてよかった。
確かに石のプレートにメイフラワー号1620年出港と彫られていました。
上空からのプリマス港の様子をYouTubeでご覧ください。
PLYMOUTH UK Marcin Rogaczewski からシェアーしています。