争いは一人ではできません。
必ず相手が必要です。「君はバカか?」との売り言葉に「ハイ、そうです」と答えれば争いは生じません。「何だと!君こそバカじゃないのか」との返答から喧 嘩が勃発します。喧嘩の原因は中傷の言葉と考え勝ちですが実は返答にもその原因はあるのです。

自ら争いを求める人はいないと思われます。
争う意志はなくとも結果として争いに発展する言葉が知らず識らずに出てしまうのです。問題は「何故そのような言葉を出したのか」より「何が出させたのか」 にあります。言葉は心の中を音声に換える道具です。また行動や態度は心の中を見える姿形に表したものですから人の言動の元はその心にあると言えます。

紛争を起こさないように自身の言動に注意し
自戒することも大切ですが、いつまでも続くものではなく無意識の中に為す事ですから期待通りの効果は望めません。無意識と言うのは「争いに発展する言動」 を機械的に生み出している下地・土壌のことで言い換えれば個人の性格と言うことです。「分かっちゃいるけど・・・・・止められない」「思わず口から出てし まった」「そんなつもりじゃなかった」・・・よくある事です。

慎み、我慢、辛抱、自戒等々も重要ですが
「無意識の中に相手の心を害する言動」を生み出す心の下地・土壌の根本的な改良が大きな効果をもたらします。そこで心の土壌に含まれやすい要因を考えてみ たいと思います。これを取り除くことで貴方の言動は周囲を和ませ争い事は激減します。

[1] 他に対する心配りや自身が働くことを惜しみ、汚い事は他人にさせて自分は楽して暮らしたいと思う心。当然出さねばならない物も出し惜しみ、人に借りた物も 返すのを惜しむ心。

[2] 働かずにお金をほしがり、分不相応のものを身に着けたり食べたがる心。あるが上にも際限なく物を欲しがる心。倫理を超えて男や女を求める心。

[3] 気に入らない人や自分の為に注意をしてくれる人を悪く思いその人を憎む心。他人の陰口を言って笑いものにしたり、自分の勝手気儘から親を憎み子を憎み、夫 を憎み妻を憎み、舅姑を憎んだりする心。

[4] 自分さえ良ければ他人はどうでも良いと思い込み、自分の身が立つ為には人の悪口を言う「我が身可愛い」の心。我が子の溺愛から事の善悪も教えず好き嫌いを させ、教育すべき時期にも気儘に遊ばせ挙げ句の果ては嘘をつくことまで教える自分の子だけが可愛いと思う心。

[5] 自分の顔や望みを妨げられたと人を恨み、誰がどう言ったと人を恨む心。自分の力や努力の足りない事を棚に上げて人を恨む心。

[6] 人がどう言った、誰がどうしたと自分の気に入らぬ事や自分の言い分が通らないことに腹を立てる心。何事にも腹を立てる気儘な心。

[7] 人の物を盗んだり取り込んだり、又はだまして利益を奪い取る心。男女の情愛に溺れる色欲の心。人の物をただで身につける強欲の心。

[8] 自分の知恵や力を過信して思い上がり他人を見下す心。お金の力をもって人を押さえつけたり、自分は賢い偉いと思い込み他人を侮り踏みつけにする心。知らな いことも知ったふりして他人の欠点を探す心。

[おまけとして・・・]
口先だけは綺麗にして本音は汚い嘘と追従(人に媚びへつらうこと)の心。