気を病むと書いて病気と言いますから病の元は心の持ち方にあると先人は感じて いたと思われます。病気の主な原因は病原菌である事は言うまでもありませんが不思議なことに同じ環境・同じ体調にあっても病気に罹る人と罹らない人がいま す。 又同じ病原菌なら同じ投薬で同じ薬効があると考えますが事実は異なり効く人もあれば全く効かない人もいます。

病気を語る前に「健康」とは何かを考えてみると、WH0憲章には「健康 とは単に病気や虚弱でないという事だけではなく肉体的精神的及び社会的に完全に良好な状態である」と定義づけています。そこで病気とは健康でない状態と広 義的に解釈し何故その状態に陥るのかを検証したいと思います。

人間の体は全て「健康で陽気な暮らしができる」ように創られています。人 体の視覚・臭覚・味覚の器官を例にすれば、目の下に鼻、その下に口と配置されています。これには理由があるのです。食べ物を直接口にすれば生命の危険が伴 いますが先ずは目で観察し次には鼻で匂いを確かめ舌で味わった後体内へ入れます。このように生命維持には欠かせない食物の摂取には細心の注意を払い病原菌 や毒物に侵されないように配置されているのです。

目は前方左右にそれぞれ一つ、口は一つ、耳は左右にそれぞれ一つ配置さ れております。これは日常生活において楽しく明るく暮らす為の使い方、使う割合を考えて創られています。即ち周囲の人々とのお付き合いは、片寄った見方を しないよう、両方の言い分や意見を良く聞き、そして自分の意見はその半分にすることが大切と言うことです。

他人の欠点を探して秘密を暴き出したり、自分に都合の良い意見だけを聴 いて他人の意見等は聞く耳を持たず自分の言い分を押し通す姿を人体で表せば目が五つ、口が十個で耳無数?・・・・・ともなりましょう。これは最早人体では なくオバケの部類になります。

体は創り主の目的に添って創られていますから、その目的である「楽しく 陽気な暮らし」ができる使い方が基本となります。創り主の目的とは異なった使い方をすれば故障が起きても不思議ではありません。目的を逸脱した「誤った体 の使い方と使いたくなる心」が健康を阻害する原因となります。

病気を恐れることはありません。病気は創り主が体の使い方の是正を知ら せる手段なのです。もし病気に罹ったならばそれまでの体の使い方を反省し創り主の目的に適う使い方に修正すればそれに応じて快復に向かうのは自明の理で す。

病気の予防には「誤った体の使い方がしたくなるような気持ち」を少なく することです。このような気持ちにさせる原因は持ち前の癖性分、性格が大きく関わります。 「病は気から」の格言はこの事実を言い得ているのです。言い換 えれば殆どの病気は自らが招き入れるものとも言えましょう。

病気を生み出すには原料と作る人の二つが必須条件です。病気とは心身に 何らかの故障が現れた状態を意味しますが病気と病気の材料とは異なります。それを区別して考えると病気の実体が理解できます。一般的に病の元(原因)とい えば病原菌や薬物更には心に悪影響を及ぼす苦悩問題等々を指しますがこれらは人間社会の至る所に存在し生きていく限り避けて通ることはできません。しかし 同じ環境にいる全ての人が同じように罹患する訳ではなくそこには個人差が見られます。その理由を物事に譬えて考えてみたいと思います。

食品の買い出しにお店に行きますと種類も品数も無数に陳列されています から献立を想定してそれに必要な食材を探して購入し自分好みの料理をつくります。好みには個人差がありますから自分の好きな料理をつくるのは至極当然で す。これを病気に置き換えてみますと、病気になる材料は至る所に存在しておりますがこの中から何を選び何を作るかは個人の性格と言う調理法によります。

何処にでも誰にでも存在する「他人の目を気にする」「自分の思い通りに ならない不満」「家庭や仕事、育児の不安」と言う食材を「自己中の心配性」と言う鍋で「生真面目」に調理しますと味は多少異なりますが一般的に「神経症や 鬱病」の料理が出来上がると言われます。しかし同じ食材でも「他人を思いやるのんびり屋」さんが調理すると出来上がる料理は全く別物となります。食材は病 気の材料、自分の好みで選び調理して出来上がった料理が病気と言うことになります。病気の再発は同じ好みの食材と調理法の所為です。

体内に棲み着く病原菌は無数ですが増殖して本体を脅かすことが無ければ 何ら問題はなく健康状態が保たれます。恐怖の癌もその歴史は古く細胞は恐竜の化石からも発見され又旧約聖書にも漁師の網を切り裂く蟹のようなものとして恐 れられています。その理由はガン細胞の存在そのものよりも増殖して本体を蝕み命を奪うことにあります。医術の進歩によりいかに癌といえども早期発見による 病巣部の治療は適切に対処できますが完全な再発防止策までには至りません。

前述の病気における食材と調理法の関係に当てはめてみますと出来上がっ た料理・癌は医師により処分して貰えますが自分の好みも変えず同じ食材で同じ調理法を繰り返していますと知らず識らずの中に同じ料理を作ってしまいます。 再発は食材(細胞) よりも調理する自身の好み(性格)による処が大きいと言えます。