TOPページへ 三菱  ランサーEX

ハセガワ&ビーマックス  1/24



 ランサーEXは1979年3月にデビューしました。
  先代のランサーも、1973年の2月にミニカとギャランの間を埋めるべく登場したファミリーセダンでしたが、軽量なボディと優れた操安性が 走り屋系の人々の目に留まり、 後に登場した1600GSRは国内外のラリーやジムカーナで大活躍、2ドア、4ドア、バン(ワゴンではない)とラインナップも豊富で、 トヨタのレビン、トレノと比べるとやや地味(ていうかマニアック)ながら正に名車と呼ぶにふさわしいクルマでした。
  そんな初代ランサーでしたが、70年代も後半になってくるとさすがにスタイルに野暮ったさを感じるようになり、 満を持して登場したのがこの2代目のランサーEXだったのです。
  確かにこの当時、直線的なデザインの車が流行していましたけど、ここまで開き直ったデザインは清々しさすら感じます。
  そして、当時の三菱の「フルラインターボ」の波に乗っかり'81年10月に1800ccのターボが登場、更にインタークーラーを搭載してパワーアップされ、 トップグレードでありながらアルミホイールはオプションという、そのストイックな佇まいは硬派なファン層のハートをがっちり掴み、 ラリーをはじめとするモータースポーツにも参戦、 その健在ぶりは「ランタボ伝説」として後々まで語られることになりました。   







 実は私も、このランサーEXに乗っていたことがありまし て・・・時は昭和も末期、 学校を出てある企業に入社、研修期間を経て営業職として社会人の一歩を踏み出そうかって時でした。
 その会社は外回りは自分の車を使うことになっていましたが、その当時マイカーは持っていなかったんですね。 とはいえ新しく車を買う金も底をついていまして、 「カローラセダンGT」の項でも触れましたが、学生時代に乗っていたスプリンターのSEは、 先に社会人になっていた弟が通勤に使うってことで親に没収されてしまいまして、 普段の足は原付か大型バイクだったんです。さすがに、二輪じゃ営業は無理ですよね。
 そんな時、そこの部長さんが、新しい車を買うので今まで乗っていた車を格安で(書類代込みでヒトケタ万円)譲ってもらうことになり、それがこのランサー EXだったんですよね。
 ところが、いざ現物を見て驚愕。外見はそこそこ綺麗だったんですけど、普通の、というよりかなり下位グレードの仕様で、見た目はもろ営業車 (いや、だから営業に使うんですけど)。
 バンバーは無塗装の黒ウレタン、シートはビニール、時計なし、オーディオレスのラジオのみ、それどころかリアの熱線すら付いちゃいねえ。
 曲がりなりにもお偉いさんの元愛車ですし、ある程度年配の方でしたから、まあターボじゃないだろとは思いましたけど、ファミリー向けのそこそこのグレードだろうと思って期待するじゃないです かこっちも。
 エンジンも、メンテした事あんのかよってぐらいのヤレっぷりで、オイルはタール状の真っ黒いのがゲージの先にちょこっと付いただけ、「えらいオイル食いだなー」 と思いつつ、エアクリーナーの蓋を開けたら、ブローバイから噴き出たオイルでフィルターはドボドボ。
 極めつけは「エアコンが壊れている(ガスが抜けてるんじゃなくて)」ときたもんだ。これから夏になるってのに、どーすんだよ。
 しかし見た目の小綺麗さに違わず、オド見ると3万キロちょい。「あんまり走ってないんですね」って訊いたら「あ、それ1周回ってるから」だと (当時の車のオドメーターは5ケタだったんですよ)。
 当時の車で10万越えなんて、ほとんど「死に体」じゃないですか。よく見りゃ、タイヤも3分山、スリップサインが出るのも時間の問題でした。
 営業車として使うんだから、せめて走りだけでもマトモなら(今の車で言えば、高速道ではある意味最速と言われるプロボックスみたいのをイメージしていた訳ですな)・・・とか思って運転してみると・・・もう、 アクセルワイヤーがゴム紐で出来てるんじゃないかってぐらいレスポンスが悪くて運転し辛いのなんの。 吹けないわ走らないわ夏は死ぬほど暑いわで、一体何の罰ゲームなのかと・・・。
 そんな訳で、乗れば乗るほどストレスがたまってしまい仕事も辞めて転職、クルマは当時の知り合いが欲しいって言うのであげちゃいました(まともに走らん ぞ、と念は 押したんですけどね)。

 はっ、いかん。今回ただでさえ画像多めなのに、またしても昔の貧乏話を長々と・・・。
 という訳でとっととキットの話に移りましょう。画像はひとまず、1800GSRから(さっきから出してますけど)。

1800GSR TURBO(INTERCOOLER)



 キットはハセガワ製、後期型をモデル化しています。いやー もう、遂に出たかって感じで即買いしてしまいましたよ。
 まあ、1作目ということで、おとなしくストレート組みしましたんで、これと言って書くことはあんまないんですけど、 色だけは当時もらったカタログのイメージカラーに倣って、ブラックに塗装しました(ソリッドのブラックですよ、メタリックじゃありませんから)。
 唯一気になったのは、シートとドア内張りの生地をデカールで再現するところがあるんですけど、なぜかその色が黒じゃないっていうか、 青紫っぽいんですね。
 手持ちのカタログを見てみると、内装はおおむね黒1色で、ドアとシートの中央部に白っぽい斜めのストライプが入っていまして。 そのストライプの部分をデカールで再現しているんですけど、なんかこう違和感というか、そこだけやけに目立つんですよ。
 シートの色指定ももろグレーだし・・・そこは艶消しブラック一択じゃないのかと。
「いや、実車はこんな感じだから」と言われりゃそうなのかもしれませんが、それにしてもなー・・・ひょっとしたら、 取材した車両のシートが日焼けしててこんな色になってたんじゃないかとか・・・実際はどうなんでしょうかね。

とまあ、1800GSRについては以上ですが、以下、他に作った物についても見ていきましょう。

1800 TURBO GT















 お次は、1800GTの前期型です。 後期型との違いはと言いますと、 見ての通りフロントバンパーの形状と、当時はまだドアミラーが認可されていなかった為フェンダーミラーを装着しているところでしょうか。
 当時はどちらかというと、バンパーが一体化していないこちらの型を見る機会が多かった気がします。実は後期型は、 リリースされた頃にはよく言えばスパルタン、ハッキリ言うとやや古いという評価がされていまして、 街中でもあまり見た記憶がなかったんですけどね。それが今じゃ、画像を漁るとヒットするのはほとんど後期型。 みんな、今までどこに隠してたんだ?
 GSRにしなかったのは、モールなどのパーツを貼り付ける手間を省く、というヘタレな理由からだったんですが(殴)、 トランク上の凸を削り落とすのを失念し、リアスポイラーだけ装着しています。
 あとホイールは、純正の鉄ホイール装着ということで、イマイ(現アオシマ)のギャランΛが履いていた物に交換しました。 当時アルミホイールはメーカーオプションで、GSRもこれ履いてたんですよ。他のメーカーのスポーツグレードですと、 だいたいアルミを装着していたんですけど、ランサーだけは頑固に鉄ホイールを履いていましたね。 ただ、形状は星型でなかなかカッコ良かったんで、「アルミじゃなくてもよくね?」とも思いましたが。

2000 TURBO ECI















 2000TURBOECIは、1981年4月に欧州 (英国、西独、ベルギー、オランダ、スイス、オーストリア、フランス)において発売された高性能モデルで、日本では発売されませんでした (一部逆輸入されたものもあったそうですが)。
 海外でラリーのベースになっているのはこの車輌なんですが、その頃は既にアウディクワトロをはじめとする4WD車が主流となりつつあり、 FRのランサーは入賞こそしたもののかなり苦戦したのも事実でして、これがスタリオンをベースにした4WD車開発のきっかけになったのでした。
 にしても、いいのか?右ハンドルで。てっきりコンパチだと思ってたんですけど、左ハンドル用のダッシュボードのパーツは入っていないんですよね (1000湖ラリー仕様は左ハンドルになっています)。英国仕様だから、と言い張れば通るのかもしれませんけど。
 で、これもストレート組みなんですが、色は毎回白と黒じゃ面白くないな、と思い(それ以外の色がイメージできない)、 レッドを混ぜた濃い目のイエローで塗装してみたんですが、なんか、欧州というより、香港映画でよくこういうの見たな。
 ジャッキー・チェンとかが運転してそう(笑)。

2000TURBO 1982 1000LAKES RALLY















 こちらは、先述の2000ターボをベースに開発されたマシンで、1982年のWRC初戦の1000湖ラリーにおいて、3位入賞を果たしました。
 これも基本ストレート組みですが、ルーフのアンテナは金属線に置き換えました(それでも太いんですけど)。
 て言うか、コメント短くね?

'84 RAC RALLY VER.















  最後は、'84RAC ラリー仕様です。こちらはハセガワではなく、ビーマックス製。リリースされたのはこちらが先でして、ハセガワ版は発売延期とか色々ありまして、だいぶ遅れ て発売されたんですが、欲しかったのはノーマルの仕様でしたんで、当時「いずれハセガワからも発売されるだろうけど、とりあえず押さえとくか」と、待ちき れずに買ったものです。
 ところがハセガワ版の発売が遅れ、雑誌の作例を見るとこれをノーマルに戻した作品が紹介されていまして、ああ、皆考えることは同じだよな、と思ったりしました。
 私も、いっその事ノーマルで組んでやろうかと思ったんですが、程なくしてハセガワ版が発売され、「ああ、早まった事をしなくてよかった」と胸をなで下ろしています(笑)。
 これも、アンテナを金属線にした以外は特に何もしていませんが、ハセガワと比べると剛性感がある(模型の車にこの表現はどうかと)、というか実にかっちりした作りで、安心して作れましたね。


 しっかしまあ、こうして喋っている間にまたしてもバリエーションモデルが展開されているようで、正直追いつきませんね、好きなんですけど。

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