TOPページへ 三菱  コルト1100F SS

ハセガワ改 1/24






 日本初のファストバックスタイルとなるコルトは、'65年11月に2サイクル800ccのエンジンを搭載してデビューしました。 コルトの名を冠したのは、先代のコルト600からなんですが、商業的にはあまり成功したとは言えませんでした。  
 で、このコルトなんですが、66年9月には1000ccエンジンを搭載した1000F(Fは4サイクルの意味ね)を追加、'68年のマイナーチェンジで1100Fをラインナップに加えて800を廃止、 同年11月にSUツインキャブレターを装備したスーパースポーツが発売されました(つまり、今回製作したこれのことですな)。  
 その後も'69年の5月に2度目のマイナーチェンジが行われ、1000Fは廃止、車名もコルト11-F(イレブンF)に変更、サイドウインドーのデザインが変更されました。  
 ボディタイプは3種類。デビュー当初は2ドアのみでしたが、'67年末に3ドアハッチバック、'68年に4ドアセダンが追加されています。 こんな形しているくせに、最初はリアハッチがなかったなんて意外ですよね。




 で、セダンと言えばもう1台、 当時の三菱には'63年6月にコルト1000が既にラインナップされていました。この2台、兄弟車というにはあまりにも作風が違い過ぎると思う方もいるかと思いますが、それもそのはず、 この2台はそれぞれ別の製作所で作られたものであり、セダンが名古屋製作所、ファストバックは水島製作所でそれぞれ独自に開発が進められたそうです。
 そしてこのコルト(セダンじゃない方)、当時のサザンクロスラリーで総合3位、クラス優勝も果たしたことがあるという、後に「ラリーの三菱」 と呼ばれる礎を作った偉大な車でもあります。売れたかどうかは別として(笑)。




 という訳で、キットの話。
 かねてから、「三菱党を自称するんなら、この車ははずせない。いつか作ってみたいよなー」という漠然とした思いがあるにはありました。ていうか、 日本初のファストバックスタイルと言われるだけあって、類型的なデザインが確立されていなかったということもあるんでしょうけど、このワゴンでもない、 ハッチバックでもないという奇妙なスタイルがやたらと印象に残っていました。
 しかし、作るのはいいけどベースキットは何にするのか、ということなんですが。
 当初、童友社(旧ヤマダ)のホンダ1300S 99Sが車格的にもいいだろうと思ってまして、入手したらその時点で製作を開始しようと思い(つまりそれほど急いで作るつもりはなかったって事ですな)、 探したんですけどこれがどこにも売ってない(なんか最近まで、どこにでも売っているイメージがあったんですけどね)。手持ちのストックがあるにはあったんですが、 これはこれで普通に作りたいし・・・。旧ヤマダの例のシリーズって、ボディの肉厚があって、無茶な改造にも耐えるからいいんですけどねー。ない物は仕方がない。
 あと、アウトビアンキのA112なんてのも積んであって、これをベースにしようかとも一瞬思ったんですが、 いくらなんでもフロントマスクがなんとなく似ているという理由だけで手を付けるのはさすがに危険過ぎるだろ、と思い断念。
 となると、現在入手可能でベースになり得るキットといえば、もうハセのサニトラしかないわけで、不本意ながら保険のつもりでキットを確保し、 1300Sは気長に探そうか、と思っていた矢先、例の流行り病に倒れてしまったのです。いやま、熱が出ただけでホントに倒れた訳じゃありませんが(殴)。
 食欲もあるし(もちろん味覚も)普通に動けるんですけど、とにかく職場は出禁、自宅待機を命じられ、できることと言えば部屋に籠ってようつべ観ながら 模型作るしかないという閉塞的な状況に陥ってしまい(それって普段の休日とどう違うのかと)、半ば見切り発進で製作に着手することになってしまいました。
 ところがどっこい(死語)。いざプラ板からパーツを切り出して、幅詰め等の下処理を施したボディの荷台部分に組み上げてみると、 意外にも上手い具合に形になっていくんですよね。
「おおー、思ったよりええ感じじゃないの。ひょっとすると今まで作った改造作品の、製作期間の最短記録を樹立できるかも」と思い、 余裕ぶっこいていたら結局年を跨いでしまったという・・・面目ないです。
 手間取ったのは、ボディサイドの造形と、タイヤでしょうか。特にタイヤなんですが、13インチでホイールは5穴という、ミョーに気合いの入った仕様。 GT-Rでも4穴の時代にですよ、こんな細っそいタイヤに使う必要あんのかと。
 サニトラは12インチで使えませんので、手持ちのジャンクパーツのタイヤを細切り、ホイールも作り起こしました。
 ボディカラーは、クレオスのグランプリホワイトと、タミヤのレーシングホワイトをテキトーにブレンドしてエアブラシで塗装。 もう少しタミヤの黄色味が出てもよかったかなと思いましたが、まあこれでも十分OKですかね。




 さて、いつものように無理やり完成に持って行きましたが、 今回使用したサニトラについては、ベース車両としての新たな可能性を発見したような気がします。まあ、気がするだけなんですけどね、もっといろいろ作ってから言えよっていう。
 


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