TOPページへ ゴードン キーブル GK1

アオシマ改 1/24





 GK1は、1960年代半ばに登場したイギリスのGTカーです。ゴードン・キーブルの創業者はジョン.S.ゴードンとジム.キーブルの2人で、 1960年のコンチネンタル・モーターショウにプロトタイプを出品しました。
 シボレーのV8エンジンを搭載し、ベルトーネのボディを纏ったこの車は大変な注目を浴びましたが、発売されたのはそれから4年後の事でした。
 ちなみにボディのデザインは、巨匠ジウジアーロの手によるもので、当時入社間もなかった彼の(量産車での)デビュー作だと言われています。
 かくして生産が始まったGK1でしたが、(高級GTカーを製造している)同業他社と比べて低価格で販売したために採算が合わなかったのか、 1965年に倒産してしまいます。
 その後同社は何度か買収されて生産を再開したりしましたが、結局1967年に会社は消滅し、GK1の最終的な生産台数は100台 (資料によると99台の説もあり。どっちでもそんな変わりませんが)にとどまりました。
 さて、ここからがこの車の凄いところなんですが、なんとこのGK1、現在でも9割方が現存しているそうで、以前に紹介した日本のNJ号 (こちらも生産台数は約100台ですが、残っているのは多くても3台)と比べると、カテゴリーの違う車とはいえ、驚異的な数字だと思います。




 
さて、なんで私がこの車の事を知っていたのかと言いますと・・・。

日本メールオーダー刊 週刊MOTORCAR(1979)第39号


GORDON-KEEBLEの項

という、当時の分冊百科で見たのが最初でした(全130号)。 いや、その後私が雑誌などでこの車を見ることはなかったので最後、とも言えますが(笑)。
 当時は「カッコイイな、アストンマーチン(DB5ね)もいいけどこれも全然負けてないぞ」と思ってはいたものの、 普段から車のプラモを作っていたとはいえこんな物を自作することになるとは微塵も思っていませんでした。
 そして月日は流れてGK1も記憶の底へ埋もれてしまったのですが、今年になってなぜか突然記憶が甦り、ナニゲにググってみたところそこそこヒットするんですが、 ほとんど説明が英語表記で、日本語のサイトで紹介されているのはごく僅か。恐らく、日本には上陸してないんじゃないかと思います。
 そうなると、よからぬ考えが頭に浮かんでくる訳で(笑)。
 折角思い出したんだから、どうせなら形にしてみたい。とはいえ一体この車、日本でどれ位の知名度があるんだろう。うーん知りたい、世に問うてみたい・・・。
と思うようになり、調べた結果寸法も判明、幸い画像もどうにか集まりましたんで、製作に踏み切ることにしました。
 となると問題となるのが「ベースのキットは何にするのか」ということでした。
 GK1のフロントとリアのウインドーは曲率が高くておまけにサイドまで回り込んだ形状ですので(実車はもっとサイドまで来てまして、 これがギリギリごまかせる限界だったの)、2ドアクーペで、ウインドーのパーツが一体成型なら何とかなるかもしれない。 ライトは丸目4灯なら、そのまま流用できる・・・などなど考えた上で、当初はアリイの'77セリカクーペあたりを考えたんですが、 プロポーションがイマイチでしかも窓が小さすぎて、どうにもしっくり来ない。ならばハコスカを使おうかとも考えたんですけど、ウインドウの処理がごまかし切れない (何よりフロントもリアもフラット過ぎて)・・・と、これはという車種が見つからないまま数日が過ぎました。
 ところがある日、外出して車を運転していた時、ふと
 レパードでよくね?
という天の声が(笑)。帰って早速調べてみるとサイズ感はほぼ同じ。幅は若干狭いものの、どうせサイドはパテを盛るからだいたい同じぐらいになるだろう。
 何よりホイールベースが1/24換算すると1ミリしか違わなくて、これならボディもシャーシもぶった切らなくて済む、 と思い急いで某家電量販店に向かってキットを入手しました。
 後はもう、これでもかっていう位ポリパテを盛りまくって仕上げました。おかげで、ダイキャストかよって思うほどずっしりとした重さになりましたが。
 で、当初の目論見通り、これだけ大掛かりな改造だったにもかかわらず、今回はどこもカットしていません。敢えて言うなら、 前後バンパーの先端をカットしてボディとツライチにしたのと、トランクを取っ払ってパテを盛りつけたぐらい(いや切っとるやないかい)。
 タイヤは、タミヤの910ブルーバード用、色は、日産車用キウイグリーンのタッチペンをエアブラシで吹きました。




 さてこの車、世間でどれぐらいの人に認知されているのか。 ということで去る7月2日(2023)、第18回柏崎模型展にて展示させていただきましたが、ほとんどの方がこの車の事を知らなかったみたいで、 「あ、ゴードンキーブルか」とサラッと言い当てた方は一人だけでした(笑)。
 まあそんな訳で、こんなイケてる車がかつて英国で作られていたんですよ、ということを知っていただけたら幸いです。




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