117クーペは、1966年3月のジュネーブショーでデビューし、68年11月に発売されました。
ジウジアーロの手による美しいボディラインは多くの人々を魅了し、以来81年まで生産されました。
ボディタイプは大別すると3種類。いわゆるハンドメイドと呼ばれる最初期型、丸目4灯の前期型、角目4灯の後期型に分けられます。
この車がまだフツーの中古車だった頃、マニアの人たちの間ではハンドメイド以外のモデルは何となく格下扱いだったんですが、今となってはどれも魅力的ですね。当時の人気は今ひとつでしたが、個人的にはこの角目の後期型もなかなか格好いいと思います。
キットはフジミ製。巧みなパーツ割りにより、先述の3タイプともラインナップされていますが、今回製作したのは、後期型のバリエーションモデルである「スペシャルデカール」です。よくこういったスペシャル仕様は、模型メーカーオリジナルのカラーリングやオプションパーツ、非純正のホイールを履いてたりなんかして、ノーマルの状態に戻すのにひと苦労するんですけど、このキットはモデル末期に実際に発売された「ジウジアーロカスタム」と呼ばれる特別仕様車です。
どこのメーカーでもそうなんですけど、モデルイヤーも後半になりますと様々な装備を盛り込んだ特別仕様車が出てきてテコ入れが図られますが、117はどちらかというと「唯我独尊」でそういうものとは無縁な感じがしてたんですけど、モデルライフが長いだけあってやはりそれなりに延命策は講じられていたんですね。
これまで、限りなくノーマルに近い状態の車を作りたいという思いから、こういったバリエーションモデルはあまり興味がなかったんですけど、ボディサイドの「117」をあしらったテクノ調のグラフィックがどうにもカッコ良くてこちらを選んでしまいました(そうです、私はYMO世代)。
でも、デカールはスペシャルなんですけど、車名の入ったナンバープレート(のデカール)が付いてないのはなんで?
手を加えた所はとくにないんですけど、強いて言えばドア内張りにもラインを引いたぐらい。マスキングテープを細切りして貼り付け、久々にエアブラシで仕上げましたが、もっと細くした方がよかったですね。
ナンバープレートについては、箱に印刷されていたロゴをスキャンし、加工、印刷して製作しました。
あとこのキット、研ぎ出しに邪魔な部分がほとんど後付けできるという親切設計で作業は非常に楽だったんですけど、天候のせいでそこまで漕ぎつけるのに時間がかかってしまいました。
最近、平日の夜しか作業してないんですけど、夜はたとえ雨が降ってなくても湿度はド高めなんで塗装するとカブる危険性が高いんですよ、ていうか1度失敗しまして(恥)、晴れた日の日中に塗装できる機会をじっと待っていたら完成が延び延びになってしまいました。
ところで、以前ここのピアッツァイルムシャーを見てメールを下さったYさん、当時いすゞ車がほとんどキット化されていないことを嘆いておられましたが、今のような活況は、当時は想像も出来ませんでしたよね。もちろん、ベレットも出てますよ。 |