滑稽を通り越して最早悲劇にちかいものに「偉ぶる」態度があります。「偉ぶる」とは他人を見下す行為を言います。世の中には自分の価値を見誤り、自身を過大評価しやすい人が多く見受けられます。この頃は若年層までもがこの傾向にあり、イジメの要因にもなっています。優れた人間か否かの評判は他人がするもので自分自身のすることではありません。

自分をより賢く立派に見せたいと思うのは人の常でしょうが、猿芝居よろしく直ぐにバレてしまい人間の品格までも失う羽目になりかねませんから注意が必要です。周知にもかかわらずなお芝居を続ける人もいてこれは喜劇、その上露見していることを本人が知らずにいれば悲劇そのものです。

いかほど偉ぶっても他人に実害を与えるわけではなく特に問題はありませんが周囲から敬遠されることは請け合いです。偉ぶりやすい原因は自分は常に正しく見識も高く他の比ではないと思い誤ることにあります。これが念頭にありますと言うこと為すこと全てにうぬぼれて人を侮り他の顰蹙を買うことになります。

偽物本物の判別は外見ではなく中身です。価値を外見におく人は外面に惑わされ本物との巡り会いは遠のきます。人間関係も然り、容姿に惑わされて痛い目に遭わぬよう本物を見る目を養うことが肝要です。最適な方法は頭も心も低くかまえて人との接触をはかることです。他人の足下は高いところから見下す方よりも低い所から見上げる方がよく見えます。手垢のついた格言ですが「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。