この世で何が一番可愛いかと言えば自分の身・命と答える人が殆どで(例外もありましょうが)何でも特に「自分の・・・」と付きますと可愛くなって大事にするものです。私物は大切に公共物はぞんざいに、我が子は可愛く他人の子はそれほどでもなく、言葉上手に振る舞ってみても詰まるところは我が身第一・・・・これが人間の本質かも知れません。

度の過ぎた「自分の・・・」が可愛いを自己中と言います。これは我田引水の極め付きで自分の都合第一にナンデモアリの言動にはしる姿を指します。自分の思惑を遂げようとして綱を引っ張り合い一喜一憂する生活ほど疲れることはなく又良好な人間関係など到底築くことは出来ません。

自己中を以て任ずる人の多くは共通の利益と敵を有する仲間をつくりやすく、結果として周囲を敵と味方に二分し又この区別も自分の都合で随時入れ替えます。昨日の敵は今日の友・・・これを地でいく生き方は孤独に向かってばく進です。努力して財や名声、権力を得てもその方法を誤れば砂上の楼閣、一夜にして身を滅ぼすことも少なくありませんしその代償は末代つきまといます。

自分に都合の良い事は正しい事と思い込む・・・・これが自己中精神です。禍福はあざなえる縄のごとし、自己中で一代生きることができるならばこの世に泣く人などは存在しません。今さえ良かったら、自分さえ良ければほど我が身を滅ぼすものはありません。この世は他人の為に働いた応分の結果によって自身の生活は成り立っています。理容師も自分の髪や顔ばかりを手入れしていては到底生計はたちません。

自分の命と他人を同等に扱えとは理屈で分かっていても実際には無理がありますから、せめて助け合いの精神だけは持ちたいものです。自分の都合と他人の都合を摺り合わせるユトリが大切です。自分の正当性を主張しながらも、もしかしたら・・・と常に自己反省できればOKです。家族他人を問わず良好な人間関係をつくるには、人の痛みを知る思いやりと助け合いが不可欠で自己中は破壊そのものです。