世の中には厭な奴も大勢います。あなたの身近にも、すぐ浮かんでくると思います。お世話になったお礼など上の空で恩を仇で返す奴、何時も邪魔する奴、上司に平身低頭部下にガミガミ偉ぶる奴、「あんな奴、いなければ・・・」と憎む気持ちは誰もがあります。又極悪非道の輩、凶悪犯人等々を憎むのは人として当然の感情でこの世からの抹殺を願う人も少なくありません。

犯罪被害者・家族の犯人に対する心情は如何ともし難く・・・罪を憎んで人を憎まずの心境にはナカナカ至らないのも事実です。「憎むな!」と諭す方が無理と言うものです。しかし一時的な憎さは問題ありませんが、何時までも憎い気持ちを持ち続けますと自分自身が壊れてしまいますから注意が必要です。

可愛さ余って憎さ倍増、夫婦親子等々の肉親関係ほどこの感情は生まれやすく又続きやすいものです。たった一言が、一寸した仕草が、些細な思い違いから感情を害し思わぬ事態に発展することは珍しくありません。一旦生じた憎い感情は徐々に増長しその上長持ちしますからこれ程厄介なものはなく、相手の消滅か自身の爆発か・・・に到達するまでに回避せねばなりません。

憎いと思っている相手が自分に好意を抱いていることは通常考えられませんが、時には自分の思い込みや誤解から一方的に憎い感情を相手に抱いている場合も否定できません。自分に憎い仕打ちをしても人の心の痛みも分からずそれに気づかない奴もいれば又それさえも忘れている奴も世の中には同じような顔をして生きています。憎む気持ちが相手に伝わっても伝わらなくても自分の得るものにプラス(+)はなく寧ろ自身にマイナスをもたらします。

人を憎んで自分を見失っては憎む相手の思う壺、二次被害者にもなりかねませんし又憎む相手と同類に成り下がります。憎い感情は自分の思惑通りに事が運ばなかった要因に対象者を選ぶことから生まれやすく全て相手が起こさせるものではありません。憎む相手をつくらないようにするには先ずは相手に憎まれないような言動に注意する事が大切です。憎む相手を増やしますと自分の生活空間が狭くなり息苦しくなります。ご用心下さい。