価値のあるものをむだにしがたい。名誉などを失うのを恐れる。価値あるものを失って残念に思う。思いどおりにならないのが残念・・「惜しかった!」よくあることです。しかし物事をするのをいやがる、金を出し惜し(吝)むときも・・・同じく「惜しかった!」となります。素晴らしい人や物の廃るのを惜しむのは人として当然ですが出すべき物を惜しがると人生も行き詰まります。

親子や夫婦間の愛情の出し惜しみ、優しい言葉の出し惜しみ、仕事に対して力の出し惜しみ、心遣いの出し惜しみ・・・等々。「あの時、ああすれば、こうすれば良かった・・・」後の祭りです。一寸した出し惜しみが全てを無にしてしまう場合はよくあります。出すことと失うことは違います。出す行為はそれに相応しいものと交換する事であり、失う事は何も見返りが無いことです。愛情、優しい言葉、心遣い等は出し切っても自身から消えて無くなるものではなく寧ろ出すことで更に蓄積されるものです。出す行為を損得勘定しますと何か損したように惜しい気持ちが働き結果として何もかも失ってしまいます。

この世は出すことから始まります。赤ちゃんが産まれる時の第一声は空気を吸うためのもので、声を出すことによって人間社会にデビュ−しもしも声がでないようなら大変なことになります。入り出口ではなく出入り口、順序があります。快食快便ではなく快便快食です。絶食よりも糞詰まりの方が危険です。何かに依らず出すべきものはスパッと気分良く出しましょう。何れは出さねばならないのですから。惜しむ分だけ余計な物が残り後々まで厭な気分を引きずることになります。