世渡り上手にお世辞は最強のアイテムです。お世辞とは相手を嬉がらせるためのことばですから、言葉一つで相手が喜べば元手要らずで安いものです。しかし何事も過度は禁物です。お世辞もその見返りを期待してのものならばこれはゴマスリになります。良き人間関係の構築にお世辞は大切ですがゴマスリ行為は破壊の方向に進みます。

ゴマスリは胡麻擂りで見境無くあちこちにべったり付着する様を指します。私利私欲をひた隠しにして口に出すお世辞ほど醜いものはありませんが又これほど心地よいものもなく分かっていてもついその気にさせられるのがお世辞でもあります。しかしこれも度重なりますと本心を見破られ厳しいしっぺ返しを受ける羽目にもなりますから注意が必要です。

当事者以外実害が及ばないのであればお世辞も人間関係の円滑化に寄与する有用な手段ですが、目上や上司、利益に繋がる人に対してお世辞の上手な人はそうでない対象者には尊大に厳しく応対するのが通常です。しかも笑顔で低姿勢でお世辞を駆使する人ほど目下には過酷なように仄聞します。

いかに心にも無いお世辞と言えどもやはり言葉は意志をそのまま運びますから相手方にはそれとなく知られてしまいます。言葉一つで相手に活力を与えるならお世辞万々歳です。しかし私利私欲の方便として用いる過度のお世辞(ゴマスリ)は信用を失い身を危うくします。ご用心下さい。