TOPページへ 緊急企画(笑)

間違いだらけの道具選び
基本編



いや、ホントに間違ってますから、意見とかされても困るんですけどね。
 以前から思っていたんですが、カーモデルに限らず、 自分が使っている道具を紹介している模型サイトって、結構あるんですよね。
 もちろん、思わず自分も欲しくなるような工具を揃えて、非常に参考になるサイトもあるんですけど、 中には100均グッズのオンパレード(別に悪く言うつもりはないんですが・・・)になっているところもあったりして、 内容はそれこそ様々です。
 「俺は道具が見たいんじゃない、それを使って作った、アンタの作品が見たいんだよ」と言いたいところなんですけど、 サイトを立ち上げて間がないとか、完成品がなかなか増えないとか、 見せる作品がが少ないとついつい手を出すネタなんじゃないかと思ったりします。かく言う私もサイトを立ち上げた当時、 コンテンツとして作ってはみたんですが、そのあまりのショボさに、思わずお蔵入りにしてしまいました。
 あれから数年。ツールもコツコツ買い揃えてきましたんで、そろそろコーナーとして成立するかな・・・と。

 解説については、若干ではありますが私見も交えておりますんで、 あくまでもハウツー本のパロディというか、ネタとしてお読みいただければ幸いです。
 
ニッパー

 まあ、もういい大人なんですから、部品を手でもぎ取るなんていう、お行儀の悪いことはやめて、ちゃんとした道具を選びたいものです。
 とは言うものの、ちゃんと切れれば爪切りだろうが100均で買った物だろうが別に何でもいい訳ですが、何千円もするようなプロユースの高級品をチョイスして、自分を追い込んでみるのもいいかもしれません。
 写真は、ホームセンターで「プラスティック用ニッパー」としてフツーに売っていたもの(約2000円)。パーツは言うに及ばず、5ミリのプラ棒も余裕で食いちぎります

カッターナイフ

 一見使いづらそうな大型でも、 使っているうちに次第に手に馴染んでくるものです。慣れればヤワなデザインナイフなんかかったるくて使えません。
デザインナイフ

 そう言いながらも、実は持ってたりします(殴)。  だーって、どの指南書も持ってない奴はモデラーじゃないみたいな書き方をしてるもんだから、 不安になりますよこっちも。
 という訳で、なんか持ってないといけないらしいんですけど、 普段はメタルックとか切るのに使ってます。 たまにプラに使うとすぐに先っちょが欠けたりしますが、それだけの理由で刃を交換するなんて、何とも勿体ないですね。
棒ヤスリ

 ヤスリがけなどという地味な作業だからこそ、能率的かつ豪快に進めたいもの。こちらは、ステンレス用のヤスリ(中目、細目)ですが、ひと撫で1ミリという驚異的な作業速度を実現します。
 真っ直ぐ動かしたつもりでも、斜めに突っ走るデンジャラスさが魅力です。エッジで手も切れますよ(削れる、とかじゃなくて)。
ピンセット

 肝心なのは精度よりも使う本人の繊細さ。パーツをつまみ損ねてはじき飛ばし、床をはいずってさがすというアンニュイな午後を過ごすのも、モデラーの楽しみのひとつです。
セメント

 まだ、キットに接着剤が付いていた頃、わざわざビン入りのセメントを買ってなんとなく上級者っぽい気分に浸ったもんですが、現在は別売りが当たり前になってますんで、とりあえずレベルに関係なく買わなきゃいけません。
 私のお勧めはタミヤの大瓶。少なくなって刷毛が届かなくなっても横にすれば問題なく使えます。
 白濁しようが糸を引こうが、最後まで使ってやりたいものです
ドライバー

 レストア時の必需品、完成品をバラす時に使います。
 先っちょが固まってしまったクリアーボンドを使うときにも必要ですね。

 あと、ちょっと古いキットなんかで、ビス止めのパーツがあったとき、持っていると重宝します。

サンドペーパー
 これも棒やすり同様、#180、#240など用途に合わせてそろえておきたいですね。
 真ん中あたりをちょこっと使っただけで捨ててはいませんか?隅々まで、無駄なく使いたいものです。
 散々使い込んだ#400で磨こうもんなら、ボディはもうツルツル。そのまま塗装してもわかりません。
ラッカーパテ

 脱初心者を目指すモデラーがおそらく最初に購入するであろうアイテム。
 これを手にした瞬間、貴方は泥沼深遠なるモデリングの世界へ、更なる一歩を踏み入れます。
 さあこれで、カッコ良くプラモを改造するぞー、という希望に満ちあふれた初心者の方、あるいはこれとプラ板があればスクラッチも辞さない、という超ベテランかつストイックな貴方に。

エポキシパテ

 比較的扱いが容易で臭いもなく、お茶の間モデラーの強い味方なんですが、混ぜてる間と、硬化待ちの間という、二度に渡ってモチベーションが下がるのがツラい所。使うタイミングを誤ると、以降の作業がまるっきりストップするので、お休み前の使用が効果的。
子供の頃遊んだ粘土細工の感触が忘れられない、少年の心を持った貴方に。
ポリエステルパテ

主剤と硬化剤をヘラで混ぜて盛り付けるという、やってる事はほとんど左官屋さんか歯医者さん。エポキシパテ同様、使う量が少なければ少ないほど使うのが億劫になる不思議なアイテム。
 作ったモノよりも削りクズの方がはるかに多くなるという、それなりの達成感と贅沢が味わえます。
 主剤と硬化剤をほぼ同時に使い切れる、卓越したバランス感覚を持った貴方に

光硬化パテ

 比較的コストパフォーマンスに劣る、という点で、エポキシパテとキャラがかぶるところもありますが、割高感はこちらの方が上ですか。
 深夜モデラーがたまに昼間からこれを使うと、いっつも蛍光灯にかざして硬化させている時の習慣で、思わずベランダでパーツを高々と大空に掲げてしまったという、思わぬ失敗を招くこともありますが(お前だけだって)、そこまでしなくても日なたに置いとくだけでちゃんと硬化します。
 できることなら時間をお金で買いたい・・・なんて思っているセレブで多忙な貴方に。
モーターツール

 基本編と銘打ちながら、コレを出すのはどうかと思うんですが・・・。

 ドレメルやプロクソン、あるいはビットが山ほど付いて激安のノーブランド品など、外国製品が幅を利かせてますが、日本人たるもの、ここは国産品をチョイスしたいところ。
 こちらはリョービのリューター(HR-100)
圧倒的な存在感、強力無比なパワーで、削っちゃいけない所まで容赦なく削ります。

 丸ノコと組み合わせれば、カーモデルのボディがものの10分で3枚におろせます。


 何となくプラモ屋に立ち寄ったはいいが、これという物がなかった時、店から出るためにとりあえず買う物。
 人によっては、これがタミヤパテだったりラッカーの基本色だったりしますが、家に帰ると未使用の物がゴロゴロ出てきたりします。
 筆って、一応消耗品らしいんですが、たまたましっくりくる物にあたると、もうそればっかりずーっと使っちゃうんですよね・・・。
マスキングテープ

 えーと、これも「筆」の項で述べたとおりなんですが・・・。
 模型屋から出るときに苦し紛れに思わず買う、というのがよくある購入パターン。わざわざ買いにいく、という物ではないでしょう。
 模型用のマスキングテープって結構割高で、ホームセンターに行きゃもっと安いのがたくさん売ってるんですけど、上記のような理由からとりあえず知らないフリをするのが賢明かと思います。
 まあ、その気になればセロテープでもマスキングはできるんですけどね。さすがに今はやりませんが。

 ちなみに、タミヤの「人形改造コンテスト」の参加賞(?)もこれ。以前はタミヤパテでした。
ラッカー塗料

 本来、プラモの塗装はこれを使うのがベストなんでしょうけど、実は私、あんまり使ってません。
 最近まで「お茶の間モデラー」だったせいで、臭いのキツいアイテムは使えなかったんです。
 そんな奴が道具の解説をすること自体間違ってますが、このコーナー見て参考にしようっていう酔狂な人もいないでしょうから、まあ、いいか。
 とりあえず現在は、(状況はどうあれ)一人で製作できる空間を確保しましたんで、ぼちぼち買い揃えていこうと思っています。
 ところが習慣とは恐ろしいもので、こないだ切らした色の補充にと、思わず買ってしまったのが・・・

アクリル塗料

 別に、何がなんでもラッカーを使わなければならない、なんてことはありません。
 上級者はみんなラッカーを使ってそうな印象を受けますけど、そんな事を気にしちゃいけません。扱いが楽、臭いがキツくない、という理由でチョイスするのは別に恥ずかしいことではありません。
 粉でも吹きそうなつや消しの風合いは、ラッカー塗料ではなかなか表現できるもんじゃないですよ。
 え、塗膜が弱い?いいじゃないですか。はみ出しが爪楊枝1本でリカバリーできるなんて、他の塗料じゃ真似できません。
 ちなみに、コンパウンドをかけると出てくるのは塗膜です。消しゴムのカスじゃありませんのでご注意ください。

 で、金属部分の表現でたまに使うのが・・・
エナメル塗料

 要所要所で使用するとビシッと決まる、いわば名脇役。
 間違っても、金属部分の表現以外に使いみちがない、なんて言ってはいけません。禁句です。

 私なんざ昔は、タミヤのMM(ミリタリー・ミニチュア)シリーズは全てコレで塗るもんだと信じ込んでいました。戦車まるまる1台、この小っちゃい小瓶の塗料で塗ってましたから。

 ところで、これをいまだに「パクトラ」と呼んでしまう人は完璧にオッサンですが、同様につい「レベルカラー」と呼んでしまうのが・・・(ラッカー塗料の項に戻る)

缶スプレー

 最近は、「エアブラシの方が簡単で美しく仕上がる」という意見もあるようですが、それは昔から缶スプレーを使い込んで修行を積んできたヒトの台詞です。
 缶スプレーを使う人はエアブラシも使えますが、エアブラシしか使わない人は缶スプレーは使えません(言い切るなよ・・・)。
 かの名著(笑)、「モ子ちゃんのプラモ製作ガイドブック」「モ子ちゃんの塗装ガイドブック」ですら、エアブラシなんざただの1Pも扱っていません(そりゃまあ、当時は自社でエアブラシ扱ってなかったし)。

 塗りたいときにサッと使える簡便さは何にも代え難い魅力ですし、ガッチリとした厚い塗膜が醸し出す、何ともいえないモッタリ感が安心感を高めます。
 近似色がなくたって、イマジネーションでカバーすれば何ら問題なし。

 「塗装は缶スプレーに始まり缶スプレーで終わる」
 昔の人は、いいこと言いますね(言わねーって)。
エアブラシ&コンプレッサー

 コレ持ってる人は、問答無用で上級者とみなしちゃっていいでしょう。晴れてオーナーとなった人は、上級者としての自覚をしっかりと持ちたいですね。希釈率がどうのとか、糸引いちゃったけどどうすりゃいいんだとか、メンテはどれぐらいの頻度でやるんだとか、意地でも他人には訊いちゃいけません。恥ずかしい事です。

 写真はタミヤの初代スプレーワーク。カーモデルの単色ベタ塗りや、陸自車両の2色迷彩程度なら、コレで充分。
 作動音がうるさいと感じるのは、集中力に欠けている証拠。邪心を捨て、塗装に没頭すれば、周囲の雑音など聞こえるはずがありません。
 じゃあなんで、みんな高級品使ってるのかって?
・・・うーん、見栄でしょ、多分。

コンパウンド

 やはり、クルマのプラモなんですから、ここはひとつクルマ用で揃えてみたいもの。実車に使うとすぐになくなりますが、プラモに使うなら徳用とも言える大きさがいいですね。今時の地方都市は、プラモ屋よりもホームセンターやカーショップの方が多かったりしますから、入手のしやすさも魅力です。
 模型用のコンパウンド(ここではタミヤ製を指していますが)は、最初はいいんですけど使っているうちにボソついてくるのがどうも苦手で・・・なんて言ってたらいつの間にかモデルチェンジしていたんですね。
 だったらもっと早く使い切れって?ごもっともです。
 ちなみに、新しいのはまだ使ったことがありませんけどね。
で、今使ってる物を上から・・・

ホルツ ミクロコンパウンド(細目)
オートバックス レパラ(メタリック用細目)
ソフト99 プラスチッククリーナー

です。
 特にホルツのコンパウンドは、使い始めのザラッとした感触がなんとも不気味で、普通なら危なっかしくて使えたもんじゃありませんが、慣れればこれがまた快感です。

 一番下のは、コンパウンドではなく、本来はヘルメットのシールドとか、ヘッドライトのカバーを磨いて小キズを取るためのクリーナーですが、コンパウンドをかけた後、仕上げ用に使用しています。コンパウンドの使える場所ならほぼどこでも使えます。もちろんクリアパーツにも使用可能。輸送時についたような擦り傷もほとんど目立たなくなりますし、白い磨きカスもほとんど出ません。

 このコーナー、実際に私が使っている物で解説しているんですけど、他人に勧めようとか、正しい知識を伝えようとかいうつもりは全くありません。でも、これだけは結構使えますよ(今さら誰が信じるかっ!!)。
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