TOPページへ 日産 スカイライン1800
フジミ改 1/24

日産 ブルーバード1600SSS
ハセガワ 1/24



 1968年にモデルチェンジした3代目、いわゆるハコスカは、プリンス自動車が日産に吸収合併されてから初めて世に送り出されたスカイラインです。
 スカイラインといえば、トップモデルのGT-Rの存在や、そのレースでの活躍など、とかく走りのイメージが先行しがちなんですが、「羊の皮をかぶった狼」と呼ばれたように、きちんと使える(これが重要)実用セダンとしての一面もあわせ持っています。
 当の日産も、そんな車をスポーツ志向のユーザーにだけ売るのはもったいないと思ったかどうかは分かりませんが、GT系以外のモデルもラインナップされ、幅広いユーザーにアピールしていました。




 ブルーバードは、1967年にモデルチェンジした510型。尻下がりといわれ、いまいちヒットしなかった先代(でも、デザインしたのピニンファリーナなんですよね・・・)から、スーパーソニックラインと呼ばれるシャープなスタイルに変貌しました。
 最上級モデルのSSS(スリーエス)は、「スーパー・スポーツ・セダン」を意味するものである事は皆さんご存知かと思いますが、こちらも走りのイメージとセダンらしからぬ性能で大ヒットしましたね。



 さて、ここからが本題ですよ(笑)。
 この2台、刑事アクションドラマの傑作、「大追跡」に登場する車両です(第24話「爆殺魔」)。

 どのようなストーリーかと言いますと・・・。
 横浜市内で時限爆弾による連続爆破事件が発生、事件を追う遊撃捜査班は捜査の末犯人を突き止め、最後の爆弾の在処を吐かせることに成功した。
 爆弾を仕掛けたという病院に急行し、捜索の結果ついに爆弾は発見されるが、容器はハンダで密封され、解体は不可能。しかも爆発までのリミットはあと5分しかない。
 残された方法は、爆弾を安全な場所まで運び去ることのみ。
 刻々と迫る爆破時刻、緊迫のカーチェイスの結末は如何に・・・。

 うーん、こんだけの文章であのシーンの緊張感が伝わったかどうか。
 で、その爆弾を運ぶのがこの2台。水さん(藤竜也)のハコスカが先導、矢吹(沖雅也)の510ブルが後に続きます。助手席には爆弾抱えて半ばパニック状態(笑)の滝本っちゃん(柴田恭兵)が。
 とにかくラスト5分の激走ぶりは必見。ブルーバードなんか、コーナー曲がるとき3輪走行してますもんね。



 ところでこの遊撃捜査班、普段の使用車両は810ブル(前期)、A10バイオレットオースター(前期)、30Z(2by2)と、人数の割には車持ちですよね。たまにイレギュラーな車に乗ってるかと思えばその後必ずカーチェイスという展開になりまして、分かりやすいっちゃ分かりやすいんですけど、刑事も犯人も一般車両もみんなセドリック・・・なんて事はないんで(殴)、観てて飽きないですね。


 もちろん、このドラマの魅力はカーアクションだけじゃありません。銃さばきや生身のアクションもカッコイイ、水さんなんか西部劇のガンマンみたいだし、新田のダンナ(加山雄三)もエレキギターをスナイパーライフルに持ち替えて頑張ってます。矢吹の空手アクションや滝本っちゃんの身の軽さも観ててホレボレしますよね。
 あと、忘れちゃいけないのが紅一点のカーコこと結城佳代子(長谷直美)。あれだけの器量で、きちんとアクションシーンがこなせる娘って、当時は彼女だけだったかも。Aライ持ってるから、車の運転も上手いし。わざとらしく粗野に振舞ったり、無理して男言葉を使ったりしてないのも好感が持てますね。
 まあさすがにお色気担当、と呼ぶには若干力不足な気がしなくもないですが(笑)、それをサポートするのがゲストの女優陣。なんか皆さん、ミョーに水っぽくて、たまにポロリもあったりします(昔は、夜9時回ったらB地区出せたのね・・・)。
 考えてみるとこの遊撃のメンバーって、まんま東映の戦隊モノのキャラ設定と同じなんですよね。(作ったのは東宝ですけど)もっともこっちはレッドとブルーの立場が逆ですけど、やっぱりキャラが立ちやすいというか、バランスが取れるんでしょうかね。

 なんか、アクションシーンの事ばっかりになってしまったな。ストーリーとか音楽とか他にもいろいろ書きたいんですけど、キリがないんでそろそろキットの話を。








 まずハコスカ1800はフジミ製GT-Rから改造。グレードは不明ですがおそらくスポーティデラックスあたりになるんじゃないかと(オプション付)。
 アオシマ製とどっちにしようかと迷ったんですが、アオシマのはやたら幅が広い、というイメージがありまして、そういったデフォルメをしない主義のハセガワのキットと並べたときに違和感が生じるんじゃないかという気がしたんですよね。
 ていうか一番の理由は青島のキットが売ってなかったからなんですけど。
 で、1800を作るにあたりエンジン部分をカットして詰め、リアの途切れたサーフィンラインもパテで再生しました。
 フジミのキットもやっぱりボディの幅が広いんですけど、こちらは修正していません。
 今回は劇中車仕様ということで、当時の映像を今のワイドテレビで観たらこんな感じになるんじゃないかと・・・(ムリヤリだな)。
 あくまでもテレビに映っていたとおりに作ってみましたんで、フロントとリアのディテールは若干オリジナルとは違うかと思います。
 鉄ホイールは古臭く見えるよう穴を埋め、童友社のキットに付いていたタイヤを履かせてみました。
 ルーフは昔懐かしいレザートップ。リューターで革シボ模様を再現してサフとTSのマットブラックを厚吹き。艶消しとはいえどうしてもテカりが出てしまうんですよねー。アクリルをエアブラシで吹いた方がよかったかもです。
 ボディは、TSのレーシングホワイト。用心のため下地にイエローを吹いてありますが効果のほどは?ですね。
 内装は非バケットシートですんで余っていたフジミ製ファミリアのシートを加工して交換、帯型メーターも再現してみました。






 お次は510ブルーバード、ハセガワ製です。劇中車のグレードもおそらくSSSですんで、こちらはほぼストレート組み・・・でもないか。改修箇所はといいますと、ホイールはGT-R用を複製して使用、キットのタイヤをそのまま装着したんですが、もう少し太くて、ハイトが低い方がかっこ良くなったかもしれませんね。
 こちらもルーフをレザートップにしたんですが、実車の方は劣化が進んでいるようでして、かなり退色しているみたいです。ていうか、ボディもあちこちサビが浮いてましたけどね。
 あと、追加したのはフロントのフォグランプ。当初ファミリアに付いていたジャンクを使用しましたが、イマイチ形状が気に入らなかったんで、撮影前にフジミのミニ用4連フォグランプから、2個切り取って装着。かなりディーラーオプションっぽい雰囲気になったと思います。
 ボディカラーはMr.カラーのグランプリホワイトを使用しました。タミヤのレーシングホワイトと同じく、旧車向きの色なんですけど、こうして2台並べてみると色味が全然違ってて面白いですね。




 いやしかし、これ作るのにファミ劇で録画したのを何度も観たもんだからBGMが今も耳の奥に残っちゃって・・・。
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