TOPページへ スバル アルシオーネ
タミヤ 1/24
 スバルのフラッグシップとして1985年にデビューしたアルシオーネですが、当時のキャッチコピーが 「オトナ・アバンギャルド(笑)」。自分で言ってどーする。まあ、自覚があっただけ、まだマシなのかもしれませんけど。
 きっと、デザイン画の段階ではものすごくカッコ良かったんだろうと思います。ところが、ボディを5ナンバー枠に収めて、 レオーネのシャーシに乗っけてみたらこうなりました。未来的なスタイルで、0.3を切るcd値を誇り、 動力的には1.8フラット4をターボで武装して、現在の目で見れば驚くほどのパワーではありませんが、 ムキになって走るような車ではないので、必要にして充分ではないかと思います。

 さんざんけなしてから言うのもナンですが、個人的には好きな車です。普段真面目な人が、 宴会で思い切りマニアックな芸を披露して、周囲が引いてしまったような、ちょっと哀しい状況が思い浮かびます。 わかる、わかるぞその気持ち。
 実はこの車、中学の時の同級生が持っていまして、一度だけ乗せてもらった事があるんですが、 スタイルからしてこうですから、室内も実に個性的。MTだったので、メーターは普通のアナログでしたが、 左右非対称の2本スポークのハンドルといい、斜めに立ち上がったオーディオといい、「車内のドレスアップは一切許さん。 このまま乗らんかい」と言わんばかりのデザインで、とても市販のアフターパーツを取り付ける気にはなれませんでした。 人の車ですし。
 しかし、いざ走り出すと「キュイーン、バラバラバラバラ……」と、ターボの効いたフラット4のエンジン音が聞こえてきて、 この車がまぎれもなくスバル車であることが分かります。

 さて、このキット、部品点数も少なく、組み立てはものすごく簡単で、 ボディの塗装さえ済ませば、仕事の8割は終わったも同然です。前後の車輪も、金属シャフトを通しておしまい。 ステアリングもしません。室内もタミヤお得意のバスタブ型で、サイドブレーキのレバーまで一体成型してあります。
 こんなにも簡単なキットなんですが、実は作るの一度失敗して(恥)、今回2度目の製作になります。
 1度目は、学生時代に近所のおもちゃ屋の閉店セール(どーして、私が贔屓にした店はすぐ潰れるんだよ?)で半額で買い、 家で組み立てていたんですが、パーティングラインを取った後の部品を、不用意にもファンヒーターの前に放置して、 別のパートの製作に没頭してしまったのです。15分ぐらいしてふと見てみると、 ボディと室内のバスタブがヒーターの熱風でまさしくたれぱんだ状態。どう考えても修復は不可能で、 主要部品がこうなっては、さすがのアルシオーネももう「どうしようもねー(座布団没収)」。半額で買った物ですから、 わざわざ部品請求をする気にもなれず、製作を断念しました。

 そんな訳で、ちょっと未練があってリベンジのつもりで最近製作したのがこれ。もう、思い残すことはありません、 ってそんな大層なもんじゃないか。
 アルシオーネは後に、その役目をSVXにバトンタッチしたのですが、 SVXはどこにもモデル化されることなく生産終了を迎えてしまいました。本当は、 「バブルの徒花」という一言で片付けちゃいけない、いい車だと思うんですけど。市場での人気はどうあれ、 通好みな車はすかさずモデル化するのがタミヤのいい所なんですけど、さすがに懲りたんでしょうか(笑)、残念です。
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