1979年にフルモデルチェンジしたセドリックとグロリアは、
それまでのモデルとは全く趣を異にしたシャープなデザインで、当時おじさんから暴走族まで、
幅広い年齢層に支持されました。もっとも、人気があったのは角目二灯のハードトップの方で、
今でもそうですがセダンの方はどちらかというと法人需要が多いように思います。
だから、という訳ではありませんが、「西部警察」でもセドリックが覆面パトカーとして多数登場しています。
もっとも、カースタントに使用されるのは230、330のセドリックで、
430が使われるようになったのは放映開始からだいぶ経ってからでした(その場合でも、元タクシー仕様だと思いますが、
丸目四灯の廉価版のタイプを多くツブしていました)。
そんな訳で、このプラモも西部警察の覆面パトカーをイメージして製作しています
(の、つもりだったんですけど、間違えてグロリアのグリルを付けちまったい)。
入手したのは、かれこれ15年以上前、今は無き(またかよ)市内のH模型という店です。
「今のところ、これといって欲しいプラモはないしなー」とか思いながら、店の前を通り過ぎようとしたその時でした。
店の前に山積みになっていたバーゲン品が目に留まり、その中にあったのがこれ。しかも、セド、
グロの2台がしっかり売れ残っていました。その頃既に西部警察フリークになっていた私は、
「おおー、これがあれば、西部警察ごっこ(どういう遊びだよ)ができる」と思い、値札を見てみたらなんと、
「300円」。すぐさま2箱ともひっ掴んで、レジまで持っていったのは言うまでもありません。
今思えば、当時のカープラモはシャコタンチューニング全盛でしたから、こんなドレスアップのしようがなく、
走りのイメージも湧かないどノーマルのモデルはさっぱり人気がなかったのです。そういう物ばっか、
好んで買う私も私ですが。おかげで今でも友達からは「ワゴンセールのMASA」という異名をとってるし。
そういえばこの店はいつも、売れない品物はさっさと店の前のワゴンに乗せて破格値で売りさばいてたなー。
田宮の1/18のスバルR−2なんか、180円で売ってたぞ。買ったけど(笑)。
昔話はこれぐらいにして、キットについて。
このグロリア、グレードはブロアムじゃなくて2000ccのカスタムデラックスで、
なんと同型のタクシー仕様もリリースされていました。しかも、タクシー仕様らしくヘッドライトは丸目四灯というこだわりよう。
あの当時、こんな地味なキットをリリースしたオオタキの英断を(無謀さとも言うけど)断固評価したい。したいんですけど、
このメーカー今はもうありません。
私は300円で手に入れましたが、定価は1000円です。モーターが付いてこの値段ですから、
当時でもお買い得感は結構高かったです。売れなかったけど(しつこい)。
スタイルは、実にカッチリしたいい出来で、前後のバンパーも、メッキ部分とウレタン部分がしっかり別部品になっていて、
再現度は高いです。
独特なのが内装。シャーシにシートを取り付けた後、
ドアの内張をシャーシに箱組みするように接着する方法をとっています。普通、
ドアの内張はボディの裏に接着するんですが、このやり方は、再現度は高いが、
ボディとシャーシを合わせるときに肘掛けとシートが引っかかったりして、
下手すると塗装が剥がれたりします。田宮などのキットによくあるバスタブタイプは、
組み立ても取り付けも楽なんですが、成型の関係でディテールはイマイチ。この方法は、
両方の長所をうまく取り入れた、いい方法だと思いました。ボディを被せる前の姿は、
バスタブならぬ檜風呂ですが。ちなみに、色はビニールシートの安物っぽさを出すため、
グレイを若干混ぜた青で塗装してます。しかしちょっとテカり過ぎました。
真っ赤なフロアマットも付いていましたので、そのまま使用しています。
唯一首をひねったのが、ヘッドライト。「今時、メッキはないだろー」と、
当時から思っていましたので、くり抜いてジャンクパーツの中から探し出したクリアーパーツに置き換え、
エポキシパテでリフレクターを作って裏から取り付けました。
「お姉さん、430は2台とも元気?」
「ええ、でも一台は塗装に失敗してジャンクにしちゃったのよ」
「もう一台は?」
「とっても元気よ。十数年もほったらかしになってたけど、つい最近やっと完成したの
(by ザ・ピーナッツ)」
モスラの幼虫か。
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